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絶対無 - What Can I Do(私に何ができるの)



What Can I Do(私に何ができるの)


2003/10/08 絶対無 3rd. album
Garando Records
¥2,300-(税込)
1. 夜明け - プロローグ mp3
2. CLASS V(クラス・ファイヴ) mp3
3. What Can I Do(私に何ができるの) mp3
4. 硝子のフウセン  
5. Twilight In My Life(人生のたそがれ)  
6. てふの舞  
7. 右往左往 mp3
8. Alcatraz Wind(アルカトラズの風)  
9. 物憂い朝  
10. Namu-Amidabutsu III(南無阿弥陀仏III) mp3
11. 夜明け - エピローグ  

What Can I Do(私に何ができるの)


to Netshop

米国ツアー帰国後、新メンバーによる「絶対無」の5年ぶりの新譜。
「プログレ」「グランジ」「ポップス」「サイケ」「オルタナ」...など国内、海外を問わず、今までいろんな評価をされてきましたが、今回の作品では、それらの要素のなかに、さらに磨きがかかった「絶対無」独自の『和』をサラリとブレンド。「和」でありながら、どこかヨーロッパの香りも漂う「絶対無」の世界。
時代にフィットした歌詞、予想外に展開していく曲など聴きどころが、てんこ盛りのアルバムですが、意外にも覚えやすいメロディーが妙にポップ。ロック、ポップ、プログレが渾然一体となった独創的な宇宙が、研ぎ澄まされたアレンジで「日本のわびさび」を演出しています。
2004年11月、このアルバムの曲CLASS Vが、コンピレーションJ-Indies Archive 隠れ名曲選に選出されました。

『これは東洋のプログレッシヴ・ロックなんかじゃない。東洋からのプログレッシヴでスピリチャルな音と意識の波動なのだ。世紀末の終末観に収束していく人々に向かって、絶対無の音世界は世紀末からの出発を促している。』
鳥井賀句
ストーンズ、ルー・リードなど数多くのライナーノーツを手掛ける音楽評論家・プロデューサー

ピルグリムワールドてつ氏

 (日本のプログレサイト) 詳細

今回、このレヴューでとりあげているのが2003年10月8日にリリースされた、通算3枚目のフルレングスアルバムWhat Can I Doになります。聴いていてまず彼らの特徴として真っ先に挙げたいのは、あらゆるスタイルのロック音楽を日本人が持っている独自のオリエンタルな要素を通してまとめあげた音楽内容となっていて、興味を持ちました。

さて、それでは気になるWhat Can I Doから感じ取った彼らの音楽についての印象や感想を書いてみたいと思います。
まず、冒頭でも触れたように音楽的スタイルについては、一聴すると確かに様々な要素が見事な形で組み合わさっている様子を窺い知る事ができる。聞き手によっては、絶対無の音楽をプログレ、グランジ、オルタナ、サイケという形で様々に評論しております。僕個人も確かに広義的な意味合いでの「プログレ」~「オルタナ」といった領域に通じるサウンドだと思うが、単純にそういうジャンル別して判断すると、聴く前に間違った印象を植え付けてしまいそうなので僕は、あえてそういう表現は避けたいと思う。彼らの場合は、日本の音階や和の風味を強く感じさせる、キャッチーで親しみやすいRock Musicの形態をとった一種のArt Rock的なサウンドをさらりと自然体でやっているという印象が正直思った事であります。絶対無というバンド名や、ジャケットの不思議な雰囲気などから、ついつい我々は「プログレ」4文字キーワードで事を解決しそうになる。だけれども、「プログレ」というのは彼らの音楽を表現するうえでは、あくまでも彼らが持っている音楽性の要素・あるいは引き出しの一つにしか過ぎないのではなかろうか?。もっと、あっさりと言い換えるならば、純粋な邦楽スピリットとソウルを持った日本人による、本物のロックバンドだと思う。

それでは、1曲づつ印象を書き連ねてみたいと思います。

1. 夜明けのプロローグ
1stアルバム「うちの婆様が言うには」に収録されていたリミックス版。日本独特の短音階フレーズが、クリーンギターで演奏されておりまるで筝曲のようなフレーズが彼ら独自のものを感じさせます。ドラムもまるで鼓のような和風のサウンドを醸し出しています。キーボードもストリングス系の音を使用していますが、和風シンフォ・サウンドを形成しています。ピッチベンディングやホイールなどの効果を使って音自体を揺らせたりしていて、これも日本風で良いですねー。その上に、若干うつろげでありながらも透き通った要子によるフィーメール・ボーカルが載ったスタイルです。もちろんこの曲は和を大事にした楽曲ということで、日本語で歌われています。

2. Class V(クラス・ファイヴ)
1曲目の和風的なアトモスフィア-から一転し、キャッチーかつ躍動的なオルタナ風ロック・サウンドが支配的な楽曲。イントロダクションのパートが不思議なことにアメリカの Persephone's Dream に通じる世界観があって驚かされました。ちなみにClass Vとは、ブックレットにも記載されているように医学用語で「精神状態が最悪の段階」という意味だそうです。楽曲が持つ雰囲気は、非常にアンバランスな精神状態が躍動的なリズムやグルーブによって表現されています。この曲は英詞となって、1曲目とは異なり力強くエモーショナルに歌われています。このアルバムの中では最も好きな楽曲の一つです。

3. What Can I Do(私に何ができるの)
大きな振幅を持ったメロディーの動きが印象的な楽曲。キーボードとギターのフレージングがイントロから支配的。曲全体は確かに、シアトル・グランジ勢に通じるハード&ヘヴィさがあります。「自分が他の人のためにどういうことができるのか?」というメッセージが迫ってくるかのようだ。サウンドや各楽器のメロディー一つ一つが、唄の内容に合わせて心に問い掛けてくるようなシリアスさも兼ね備えている。

4. 硝子のフウセン
やるせなさや無常観がただよう内容。せつなく語りかけるような唄になってます。曲の持っている和風ビート(これが小倉の民謡サウンドなんでしょうか?)が独特で面白い。それと同時にメロディーラインや歌メロは、日本人には懐かしく感じられる部分があります。 とてもキャッチーで親しみやすいが、その一方で歌の内容はフィロソフィカルな風味が効いています。

5. Twilight In My Life(人生のたそがれ)
この曲では、メインボーカルは、古江 尚が主に担当している。この曲では、特に古江氏の声質がPink Floyd の David Gilmourに通じるものを強く感じさせる。コーラスでは、要子とのハーモニーが印象に残る。中間で出てくる静謐なPianoサウンドと、ディストーションのかかったギターフレーズが、心の空虚さを表しており。この曲が持つ 心の中を掻き毟られる衝動を見事に演出する歌と演奏が、特徴的

6. てふの舞
イントロのシンフォ風キーボードサウンドによって楽曲が導かれ、要子のメインボーカルにより彩られていく。要子さんの歌は、この曲では特に柔和で透き通った感じが強調されているように思う。バックで流れるストレート・フォワードなドラムとベースによるビートが重要な骨格を形成していて、ピアノの音もどこか寂しさや哀感が出ている。コーラス部では、Mayと要子によるボーカルハーモニーも登場。古江氏による、骨太なギタープレーが後半で活躍。この楽曲では 人間が求めている「ぬくもり」への願望が描かれている。

7. 右往左往
この曲も序盤の部分などは特に、2曲目同様驚く事に Persephone's Dream の最新作におさめられているEndymionという楽曲に近い雰囲気をもっています。この曲は歌詞のノートにも記載されているように2001年9月11日以降、東西の世界が変わってしまった出来事にインスパイアされた作品となっている。東と西がお互いから、次第に離れていく悲しさがアトモスフェリックな音像で迫ってくる。キーボードにより繊細且つエモーショナルな部分を表現している。 シンセフレーズやキラキラした音色など、シンフォ・ロックファンの琴線に触れる部分があることにも注目したい。

8. Alcatraz Wind(アルカトラズの風)
アメリカツアー時に、訪れたサンフランシスコとアルカトラスに思いを馳せた古江尚氏による歌もの。古江のボーカルによって、サンフランシスコの華やかさや喧騒、そして悲しく沈み込んだアルカトラス島の情景対比によって楽曲の雰囲気が如実に伝わってくる。

9. 物憂い雨
曲全編に流れるピアノ調べが美しい。特にイントロやヴァース部の雰囲気は、まるでPink FloydTimeに通じる部分がある。雨や気だるい雰囲気や煩わしさ、苛立ちを描写した楽曲。中盤以降から出てくるシンフォ風味のシンセやフルート的なサウンド~バックで流れるドラムビートやシンバルの音などもかかせない繊細なムードを醸し出している。ギターソロもややディストーションの音は抑え目ながらも叙情的。古江氏による泣きのギターフレーズが、欧州的な色合いを出している。実はこのアルバムで僕が一番好きな楽曲の一つが、この9曲目だったりします。この曲の終盤では、展開部も用意されており要子の歌声も、どこか力強いステイトメントを持った印象がある。Mayもバッキングで活躍。 まるで万華鏡のように色んな側面や表情を持っているという点でも、お薦めしたい曲です。

10. Namu-Amidabutsu III(南無阿弥陀仏III)
バンド活動の中で、かなり初期の段階で制作され、1989年にリリースされた1stうちの婆様が言うにはに収録されていた曲の英語バージョン。コーラス部分は国境を越えたような不思議な雰囲気を持っている。コーラスの「南無阿弥陀仏」というところが、妙にユーモラス且つキャッチー。 スリランカ方面の音楽と沖縄・九州の民謡が融合したかのようなコーラスが、大変インパクトあります。 サウンド全体はキャッチーだが、ポリティカルな内容やメッセージ性が古江のリードボーカルに込められている。

11. 夜明け - エピローグ
これは、1曲目の続きの内容となっており、1曲目で表現されていた和の世界がさらに美的感覚を帯びて、空間に無限に広がっていく様子が伺えるかのようだ。この曲も、うちの婆様が言うにはに収録されている同曲の新ヴァージョンだそうです。

11曲非常に聴き応えのある、粒揃いの楽曲だと思います。聞き込んでいくうちに、自分が持っている日本人のアイデンティティを呼び起こすような効果を得られるのではないでしょうか。個人的には、1曲目、2曲目、4曲目、6曲目、7曲目、9曲目、10曲目辺りが印象にとても残りました。特に2曲目、7曲目、9曲目あたりがフェイバリットです。日本国内も精力的にライブツアーで周っているようです。来年は広島辺りにも来るようなので、ライブに行けたらぜひ彼らの音楽に生で体験したいものです^^。


光武蔵人(みつたけくらんど)

 (ロサンジェルスで活躍中の映画監督)

アルバムとしてのバランス、完成度、プレゼンテーション、どれを取ってもA級で非常にクオリティの高い活動をされていると感服です。プレスリリースの中に入っているレビューを拝見するとピンククフロイドが度々引き合いに出されているようですが、僕的にはキングクリムゾンを引き合いに出したくなるサウンドでした。特にアルバムのタイトルにもなっている「私に何ができるの」の迫力は物凄かったです。ギターがロバートフリップしてます。ヴォーカルもすばらしい。
どの曲も映像が頭に浮かんでくるようなパワーに満ちていて映像作家として非常に刺激を受けました。


James Santillana

 professional writer (USA)

Haunting vocals and a brilliant mix of vintage and modern instruments bring an air of eeriness and wonder to this compilation. The seemingly melancholy lyrics of Hisashi Furue enhance the vocals of main singer Kanako to a preternatural level. They express an ironic sense of angst and tranquility in each song. Definitely an arcane experience for those willing to delve into foreign music.

【和訳】
耳に残るボーカルと、昔の楽器、現代の楽器の素晴らしいミックスにより、この作品には、不気味で不可思議な雰囲気が漂う。 メインシンガー、要子のボーカルは、古江尚の一見憂鬱な歌詞により、並外れたレベルにまで到達している。彼らは各曲の中で、心の不安と平安の相反する皮肉めいた気持ちを表現している。きっと、外国の音楽を深く探求してみたい人にとっては、神秘的な体験となるに違いない。


CDジャーナル - 2003年12月号

 (日本の音楽雑誌)

5年ぶりのアルバムは、日本的イメージの手触りが核となっている。プログレッシヴ・ロックと、日本風の空間や旋律の展開は見事に合致し、むしろ無国籍的なオリジナリティを確立しているくらいだ。難解でない間口の広さもまた耳と心を素直にさせる。


Player - 2004年3月号

 (日本の音楽雑誌)

83年に古江 尚(g)を中心に結成。自身が生まれ育った九州小倉の祭り、祗園太鼓の土着的なビートを滲ませた独自のロック・サウンドを紡いできたという絶対無。89年にはうちの婆様が言うには、98年にはIn The Decadent Timesといったアルバムを発表、日本はもちろん世界中の地下室から密かに注目を集めてきたバンドだ。
00年には現在のメンバーが揃い、割礼での活動で知られている松橋道伸(ds)らのベテランかつ個性溢れるミュージシャンとの音の会話により、さらにオリジナリティ溢れる世界観を完成さけたようだ。
昨年リリースされた最新作What I Can Doには現メンバーによる絶対無サウンドが充満しており、短音階を踏まえた和の質感がプログレッシヴな無国籍サウンドの中に見事溶け込んでいる。日本人でなければなかなか紡げない憂い、ひいては絶対無でなければ現出出来ない独自の世界観を感じさせる。


ストレンジ・デイズ - 2003年12月号

 (日本の音楽雑誌)

プログレとオルタナの間を自由に行き来するサウンドは、東洋から西洋へ向けての音楽的な回答か?


Web Jungle

 (日本のWebzine)

これはね、すごいです。世界に誇れる作品です。
目をつぶって聴いてはいけません。どこか遠いところへ連れていかれて、もう帰ってこられなくなるからね。


FOOL'S MATE - 2004年3月号

 (日本の音楽雑誌)

83年にスタートという大ベテラン・バンド。リーダーの古江尚(G,Vo)が物心つく前から母親に聞かされた琴の旋律、地元の祭りである小倉祇園太鼓で身体に染みついた和太鼓の間をロックと融合させるために結成したというそのサウンドは、世界各国の目敏いレーベルなどから積極的な反応を呼び、一時期は日本のキュアー日本のマーキュリー・レヴといった称賛を受ける。 5年ぶりとなるこの3rdでは03年3月に加入した要子のVoをメイン・フィーチャー。和と雅の世界がネオ・サイケに結ばれている全11曲。


Craig Caudill AKA Controlled by Bees

 installation/projection artist (USA)

For Me this is a long awaited feel good album!!! As a music lover who is jaded. there comes a time, when one finally stumbles apon something that startles the imagination with profound beauty. this album is a perfect blend of retro, modern, and traditional sounds. Which is the most daring thing I've heard in long long while. I give this album 5 Stars.


印南敦史

 (フリーライター/編集者/音楽ジャーナリスト/DJ)

すごくオリジナリティのあるバンド。 昨年出た新作 『What Can I Do』 を聴いて感じた。

どっちかといえば暗い。 売れ線ではないし、 聴き手を限定するタイプかもしれない。 けれど明確な芯を感じるし、 聴いていて妙に心地よいんだな。

プログレといわれることが多いらしい。 海外では“日本のグランジ”と評されたらしい。
「プログレだと思ってないし、 グランジにも関心がない」 とF江氏。 参考までにいっておくと、 僕はエコー&ザ・バニーメンやスージー&ザ・バンシーズあたりのニュー・ウェイヴの現代的解釈だと感じた。

人のイメージってそんなもんですよね。 だけどかんたんにジャンル分けできるものより、 いろんなことを感じさせるほうがずっとおもしろいと思う。


akiさん

(東京)2003年11月12日   CDWhat Can I Do購入後のご感想(原文)

日本より海外でもっと活躍してもらいたいバンド!非常に面白い存在だと思います!プログレ好きで新しい音を求めている人にもお勧め!


ギゼさん

(奈良)2006年07月16日   CDWhat Can I Do試聴後のご感想(原文)

友人からたまたま借りたこのCD,見事にハマりました。今まで聴いたことない雰囲気。洋楽のようで「和」が染み付いてて、なんやら不思議!しっかりした楽曲とボーカルの自然さがすんなり入ってきます。ライブも是非見てみたいな。


タカシさん

(京都)2003年12月04日   CDWhat Can I Do購入後のご感想(原文)

京都にいそうでいないバンドです。いてほしいバンドです。日本的な曲は最初くすぐったい気持ちでしたが、聴くにつれてすご~くポップに自分の身体に染み付いてきました。こんなバンド絶対にほかにありません。あり得ません!お勧めの1枚ですが、正直、あまり他人に知らせたくないバンドでもあります。


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